香典の袋には「薄墨」を使うという事は聞いた事ありますか?

知っている知らないの前に、まず薄墨がなんなのか分からない人もいると思います。

 

そこでここでは、たまに聞く薄墨とは何のか、香典は薄墨で書くべきなのかどうなのか、

また中袋だったらボールペンでも大丈夫かなどを説明します。

 

香典に使う筆について迷っている方は、ぜひ参考にしてくださいね。



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薄墨って何?

香典を薄墨で書くのかどうか、中袋はボールペンでもOKなのかの前に、

まずは「薄墨」とは何なのかについて軽く見ていきましょう。

 

薄墨とは、「うすずみ」と読みます。

 

昔は鉛筆やボールペンなどのような文房具はありませんでしたので、

日本ではそれまでずっと文字を書く時は墨を溶かした墨汁と筆を使っていました。

 

筆記が必要になった時には硯(すずり)という容器に少し水を入れ、

墨の塊をこすり付けて墨汁という黒い水を作り、そこに筆を浸して文字を書きます。

 

そして勿論香典の袋に「ご香典」などと書く時も

そのようにして作った墨汁に筆に墨を浸たして

墨を塗りつける事で文字を書いていましたが、葬式関係の時は

 

亡くなるなんて思っていなかったので香典を用意する為に慌てて墨をすりました。

墨汁を作っていたらそこに涙が落ちてしまいました。

 

などのような事を表すためにわざと「薄い」墨汁を作り、

それで文字を書くのが風習になっていました。

 

このように、「残念だ」という気持ちを伝える為に敢えて薄くした墨汁を

「薄墨」と言います。

 

また、薄墨は悲しみだけを表現する方法なので、葬式関係のみで使います。

 

「嬉し涙で…」という意味でご祝儀の袋などに薄墨を使用する、

という事はないという事ですね。

 

こうして見ると、薄墨というのは

言葉ではなく態度や物で自分の気持ちを伝える実に日本らしい風習です。



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香典には薄墨を使う?

昔は、香典の袋に文字を書く時は悲しみを表すために

薄墨を使っているというのは分かりました。

 

では、現在はどうなのでしょうか。

現在でも香典には薄墨が必要なのでしょうか。

 

実は、本来のマナーでは現在も香典の袋には薄墨を使うのが正しいとされています。

 

「え?そうなの?」とびっくりする人もいると思います。

 

なぜなら、今の時代文字を書のにわざわざ墨をすって墨汁を作る人はいないからです。

香典に薄墨を使うと言っても、現在ではどうやって薄墨を用意するのでしょうか。

 

実は、今はこういうものがあります。

 

薄墨のペン

 

こちらは普通より薄い文字が書ける「薄墨の筆ペン」です。

わざわざ硯で多めにした水の中で炭をすらなくても、

これを使えば簡単に淡い墨汁のような色合いで文字を書く事ができるんですよ。

 

本来のマナーで香典袋に文字を書きたい時は、このような薄墨のペンを使ってください。

 

ただし、注意が必要です。

それは、薄墨を使うのは通夜か葬儀で渡す香典のみという事です。

四十九日や1回忌などその他の葬式関係では薄墨は使いません。

 

それはなぜかというと、通夜や葬儀までは「突然の出来事」として見る事ができるので

時間がなくて墨汁が薄くなってしまったり墨汁が薄まる程悲しみにくれても

仕方ないですが、それ以降の行事は全て事前に知る事のできる計画性のあるものですので、

「しっかり墨汁を作る・落ち着く時間がある」と考えられるからです。

 

もし通夜と葬儀以降でも薄墨を使ってしまったら、

それは「悲しいから」ではなくただの「ズボラな人」という事になってしまいます。

 

ですから、薄墨は通夜か葬儀で渡す香典のみで使うようにしましょう。

 

また、香典袋には中央上部に書く「ご香典」「お悔み」のような言葉と、

その下部に書く「自分の名前」がありますよね。

 

これは、どの部分に薄墨を使えばいいのでしょうか。

基本はどっちも薄墨で大丈夫です。

 

「ご香典」などのような目的の言葉も送り主である「自分の名前」も

普通は同時に書きますよね。

 

つまり「同じ墨汁を使っている」という事なので、どちらも薄墨でいいでしょう。

 

・短冊つきの香典袋もある

 

また現在では、ご香典などの中央上部に書く言葉は

短冊に印字されていて貼るだけでOKなものもあります。

 

それを使ってもマナー違反ではありません。

その場合は、自分の名前だけ薄墨を使えば大丈夫です。

 

ただ、地方によっては「もともと薄墨を使う文化がない」という所もあります。

例え香典の袋に書く時は薄墨がマナーだと言われていても、

そのような文化がない場合は薄墨を使う必要はありませんしマナーでもありません。

 

薄墨の文化がない場所で薄墨を使ってしまうと、せっかく気を遣ったはずなのに

相手から「なぜわざわざ薄いペンを使うのか。ペンぐらい新しいものを使え」と

思われてしまいます。

 

ですから、あまり馴染みのない地方の通夜や葬儀に参加する場合は、

そこの地方に通夜や葬儀に薄墨の文化があるかどうか、

事前にその地元の風習に詳しい人に聞いてみるといいですね。



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香典の中袋はボールペンで大丈夫?

香典の外側の袋は薄墨を使うという事が分かりました。

ですが、香典にはもうひとつ袋がありますよね。

 

そう、香典袋の中に入っている「中袋」です。

中袋には直接お金を入れ、表には金額を、裏には住所と名前を書きます。

 

金額・住所・氏名が必要ですから文字数が多いですし、

袋が小さいので文字も小さく書かなければいけません。

 

薄墨で書くとなると少し大変なような気がしますが、

この中袋も薄墨で書くのがマナーなんでしょうか。

 

普通に考えると、外側の袋の文字を書く時に一緒に中袋の文字を書くでしょうから、

どちらも同じ墨汁を使っている設定、

つまり中袋も外側の文字を書くのに使った薄墨で書くのがマナーのような気がしますよね。

 

ですが実際は違います。

中袋はボールペンでOKです。

 

中袋というのは、実際に入っている金額と、お金を渡した人の住所、氏名など

かなり重要な事を書きます。

 

悲しいという気持ちを表現するのは大切ですが、このような情報を弱々しい色で書くと

もらった側が読みにくく、返って相手の手間をかけさせてしまいます。

 

ですから受け取る側の都合を考えて、

中袋の文字を書く時はボールペンでいいというのがマナーになっています。

関連記事:免許更新のハガキが来ない!いつ届く?期限切れの場合失効する?

香典の中袋の書き方は?

では中袋にボールペンを使っていいという事が分かった所で、

最後に中袋の書き方についておさらいしておきましょう。

 

中袋の書き方ですが、まず表からです。

 

表には中央に金額を書きます。

その場合、まず頭に「金」、後ろに「円(または圓)也」とつけます。

 

また万札使う時は「万」ではなく「萬」、千円札を使う時は「阡」を使います。

そして数字についてはローマ数字やいつも使っている漢数字ではなく、

特殊な漢数字を使います。

 

どんな漢字を使うのかざっと見ていきましょう。

1→

2→

3→

5→

6→

7→

8→

10→

 

となります。

4と9は「死」と「苦」を連想させるので使いません。

 

また、なぜこのような敢えてややこしい字を使うかと言うと、

ローマ数字(0、1、2…)や普通の漢数字(一、二、三…)は

後から簡単に「付け足し」ができてしまうからです。

 

ローマ数字は数字と数字の間に無理やりもう一つ数字を入れても読む事ができますし

漢数字の一、二、三などは一文字加えるだけで

簡単に数字を書き換える事ができてしまいますのでトラブルの元です。

 

悲しみを大切にしたい通夜や葬儀でよけいなもめ事を起こさない為にも、

香典の中袋の中の金額は、細工がされにくい特殊な漢数字を使うようにしましょう。

 

香典の金額は3000円、5000円、10000円が多いですが、

もしこのような数字を中袋に書くとすると

 

・3000円→金参阡円也

・5000円→金伍阡円也

・10000円→金壱萬円也

 

となります。

 

次に裏です。

裏側には、自分の住所と名前を書きます。

この辺は普通の手紙の要領と同じですね。

 

丁寧な字で書くことだけに注意すれば、特に難しい事はありません。

これが書けたら中袋の完成です。



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まとめ

薄墨は香典の外側の袋にだけ、

さらに通夜か葬儀に持っていく場合のみ使うのがマナーです。

 

ですが、地方によって薄墨の文化がない所もあり、

そのような場所では薄墨はただの読みにくい字という事になってしまいますので

その地方の文化を事前に誰かに聞いておく必要があります。

 

少しややこしいですが、相手を思いやる日本独特のステキな文化でもありますので

ぜひ薄墨を使ってみてくださいね。