日本には、言葉自体はよく知られても

その言葉の使い方が間違っていたり意味が誤解されたりしている言葉がいくつかあります。

「確信犯」という言葉もその一つです。

 

そこでここでは、確信犯の意味や使い方、良くある誤用についても詳しく解説します。

 

確信犯という言葉について詳しく知りたい方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。



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確信犯の意味や使い方は?

ではまず、確信犯の本来の意味や使い方を説明しましょう。

 

確信犯の本来の意味は、

政治的、宗教的等の観念に基づいて正しいと信じてなされる行為や犯罪の事。

またはその行為や犯罪を行う人の事。

 

という意味です。

少し難しいですが、分かりやすく言えば

「法律など関係なく自分の中の正義に従って行動する事または行動する人の事」です。

 

この行動には、犯罪も含みます。

犯罪は悪い事だけど、自分の正義の為に敢えて行うという事なんですね

 

ですから確信犯の本来の意味を使った例文を挙げるなら

 

・私が落ちている財布を交番に届けたのは偽善ではなく、確信犯で届けたのだ。

→私は誰かに褒めてもらう為や後でお礼をもらう為ではなく、

落とし主が困っているだろうから助けてあげたいという良心から、交番に財布を届けた。

 

・確かに私は人を殺したが、それは確信犯だった。

悪い事をしたのに法から逃れのうのうと暮らしているあいつが許せなかったのだ。

→犯罪行為だとは分かっていたが、相手が自分の正義に反する行為を行い

それが自分にはとても許せなかったので殺人は悪いと思いながらもその人を殺した。

 

という具合になります。

 

確信犯の言葉の使い方としては、良い行動でも悪い行動でも、

とにかくしっかりした信念を持ってそれに従った行為という事になりますね。



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確信犯の語源は?

さて、確信犯の本来の意味は分かりましたが、何だか少しお堅い感じですよね。

でも、それにはちゃんと理由があります。

 

実は確信犯というのは19世紀に

ドイツの刑法学者であるグスタフ・ラードブルフさんという人が提唱した言葉なんです。

 

それが日本に入ってきて、その概念を

和訳(造語)したのが「確信犯」という言葉なんです。

 

つまり、確信犯というのは元々刑法の専門用語のひとつなので

本来の意味の雰囲気がなんとなく重々しいんですね。

確信犯は誤用されている?

さて、上記で確信犯の本来の意味や例文を説明しましたが、

「おや?」と思う人が多いでしょう。

 

確信犯ってそんな意味だったっけ?

自分が知っている確信犯の意味と少し違うような…と思うと思います。

それはある意味正しいです。

 

ですから上記でも、

「確信犯の意味」ではなく確信犯の“本来の”意味という風に書きました。

 

実は平成27年に実施された文化庁の国民アンケートでは、

「確信犯の意味は?」という問いに対して

上記の本来の意味をきちんと答えられ人はわずか17.0%で

別の意味に捉えていた(誤用していた)人は69.4%でした。

 

つまり、誤用された使い方をしている人の方が半数を占めているという

結果になったのです。

 

では、誤用として捉えられている確信犯とは、どんな意味なのでしょうか。

 

それは、

悪い事であると分かっていながら行う行為、またはその行為を行う人

という意味です。

 

この場合の確信犯の意味だと、行為自体は同じような意味になりますが、その動機が

正義感などではなくただ自分の利益や快楽の為だったりと割と悪い方へ傾きがちです。

 

こちらの意味で捉えた確信犯を使った例文を挙げるなら

 

・あの人「掃除当番だった事をうっかり忘れていた」と言っていたけど、

絶対確信犯だよね。

→あの人は嘘をついている。掃除当番の事は本当は覚えていたけど

掃除をやりたくなかったからうっかり忘れたことにしてサボったに違いない。

 

・あの子は先生が困ると分かっていてあんな事を言っている確信犯だ。

→あの子は「本当はあんな事は言ってはいけない」と分かっているのだが、

先生を困らせたくてわざと言っているんだろう。

 

という具合になります。

 

上記と比べると、確信犯という言葉の意味合いが随分変わりますよね。

 

前者は行為の良し悪しに関わらず

その人なりの正しく強い信念のようなものが感じられますが

後者は全く逆で、軽率だったり狡猾だったりとネガティブな印象が残ります。

 

そして、現在確信犯の言葉の意味としてよく使われているのは

“誤用”とされていたこのネガティブイメージの方になります。

 

元々確信犯という言葉は刑法の専門用語で意味まではあまり認知されておらず、

確信犯という言葉の響きだけでなんとなく

「(確信=本人は分かっている)犯罪」という意味に捉えられ、

そのような出来事に遭遇する事が一般生活で多かった為に

使いやすくて一気に広がったとされています。



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確信犯の意味は、どっちが正しいの?

確信犯には本来の意味がありますが、

現在半数以上の人が使っているのは誤用されている意味の方です。

 

例え本来の正しい意味で確信犯と言う言葉を使っても、

多くの人が誤解しているのでは意味はきちんと伝わらない事が多いですよね。

 

では、確信犯という言葉を使う時は

どちらの意味として使うようにすればいいのでしょうか。

 

実は現在確信犯という言葉は、「どちらの意味でも使ってよい」事になっています。

 

確信犯という言葉は、本来は

・政治的、宗教的等の観念に基づいて正しいと信じてなされる行為や犯罪の事。

またはその行為や犯罪を行う人

 

という意味しかありませんでした。

 

当初は完全に「誤用」とされており

特に多くの人が見聞きする新聞やテレビ、本などでも

こちらの意味でしか使用されませんでした。

 

ですが、だんだんと確信犯という言葉を

・悪い事であると分かっていながら行う行為、またはその行為を行う人

という意味に使う人が増え、

とうとう本来の意味と誤用の意味を使う人の数が逆転してしまいました。

 

そして現在ではなんと、確信犯には2つの意味があるとされ、

誤用とされた意味も正しい意味になりました。

 

現在発行されている辞書にも2つの意味が載っていますから、

誤用とされた方の意味も完全に定位置を得たという形になります。

 

つまり、確信犯の2つの意味は「どっちを使っても正しい」という事になります。

 

えー!

言葉の意味ってそんなに簡単に変わっちゃっていいの?

 

と思ってしまいますよね。

 

しかし、言葉というのは本来は柔軟な道具と一緒です。

 

昔はただ「叩いて潰す」しかできなかった石器が、

使われていくうちに物を「切る」、「刺す」、「研ぐ」、「伸ばす」など

色んな物に変化していくように

言葉も毎日使われていくうちに時代や人の生活に合わせて意味が変わっていくというのは

ある意味当たり前なんです。

 

例え誤用していたとしてもその意味で使う人が多いという事は

そちらの方がその言葉が使いやすいという事ですし、

間違った使い方をする人が多くなれば

いちいち「それは間違っているよ」と訂正するのも大変ですよね。

 

ですからある程度流れができたらそちらの使い方を優先していくのは当然の流れです。

 

そして確信犯の言葉の使い方は、

こっちの意味が正解、こっちの意味が誤用という風ではなく

「どっちの意味にも取れる」という非常に使い勝手の良い意味になりましたので

安心して2つの意味として使ってくださいね。



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まとめ

ある言葉の意味が、その言葉の本来のものより

誤用されているものの方が周知されていると、

「これってどっちの意味で使った方がいいの?敢えて間違った使い方をするべき?」

と迷う事がありますよね。

 

確信犯という言葉もそのような別の意味で使い方に迷う言葉のひとつですが

確信犯については、現在はどちらの意味も正しいとされているので

どちらの意味で使っても大丈夫ですよ。

 

これを機に、誤用されやすい日本語を勉強してみるのもいいですね。