会話で使うことがなくても、テレビなどで「パンドラの箱」を開けた、

また開けてしまったという言葉は聞いたことがあるのではないでしょうか。

 

パンドラが人の名前、ということは知っていても、

なぜそんな風に使われるようになったのか、

どんな意味があるかということについては、よくよく考えてみると

分からない、また聞かれても説明できないという人が多いはず。

 

私もパンドラの箱に最後に残っていた中身は「希望」だったという

寓話しか知りません。

 

そこで今回は、このパンドラの箱の意味や、箱には何が入っていたのか、

また会話に使う時の正しい使い方について、詳しくご紹介します。



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パンドラの箱とは?その起源や由来は何?

パンドラの箱とは、ギリシャ神話に出てくるパンドラという女性と、

彼女が開けてしまった箱のことをいいます。

 

ギリシャ神話は日本における伝承の話がまとめられたもので、

元々は口伝で伝えられていました。

私たちには星座の話がよく知られていますが、

ギリシャ神話は全知全能の神とされる、ゼウスへの信仰の話が多く出てきます。

その中に「仕事の日」という話があり、そこにパンドラが出てくるのです。

 

昔、全知全能の神のゼウスと敵対するティタン神族、またの名を巨神族という神たちから

ゼウスに味方する神が現れました。

それがプロメテウスです。

 

二人は人間を地上に作り出しましたが、プロメテウスは人間を愛していましたので、

厳しく人間に接するゼウスとは逆に、人間に知恵や火を与えました。

しかしそのことがゼウスの怒りに触れ、プロメテウスは山につながれて

永劫にワシについばまれるという罰を受けることになってしまいました。

不死身のプロメテウスの受けた罰は、3万年も続いたといわれています。

 

プロメテウスは、ゼウスの怒りに触れることを予見し、

弟のエピメテウスに人間たちを守ってくれるようにと伝えていましたが、

ゼウスはこの世で最も美しい女性であるパンドラを作り、エピメテウスの元に送ります。

ゼウスは、人間が火を得た代償としてパンドラを送ったのです。

パンドラは美しさと癒やしを兼ね備えていましたが、好奇心も持たされていました。

 

ゼウスの思惑通り、エピメテウスはパンドラを妻にしてしまいます。

エピメテウスはプロメテウスから「決して開けてはならない」といわれていた黄金の甕を

持っていました。

その美しさにパンドラは中を見たいと願いましたが、エピメテウスは断り続け、

ついに「開けてくれないと私は死んでしまいます」といわれて甕を開けてしまいました。

 

壺の中には、プロメテウスが封じたこの世のあらゆる悪が入っており、

病気や憎しみ、妬みなどが外に飛び出してしまいました。

あわててエピメテウスは蓋をしめましたが、その時小さな声が中から聞こえました。

それがもしもの時にとプロメテウスがしのばせたエルピスだったという話です。



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パンドラの箱の中身やその意味、解釈は?

このように、パンドラの箱にはこの世のあらゆる悪、

つまり人間を苦しませる感情や災いが閉じ込められていました。

 

ここで説明した通り、パンドラが開けたのは黄金の甕とされています。

今のように「パンドラの箱」とされたのは、このギリシャ神話を翻訳した人の

書き間違えなのですが、今ではこちらの方が一般的になっています。

 

さらにこの箱も、プロメテウスが隠していたとされる説と、ゼウスが

好奇心を与えたパンドラが開けずにはいられないよう、持たせてエピメテウスの

元に行かせたという解釈もあります。

 

そして最後に甕に残ったとされる「エルピス」についても、

様々な解釈があります。

古典ギリシャ語において、エルピスには希望という意味の他に予兆や期待といった

意味もあるためです。

 

その一方で、悪が閉じ込められた甕に入っていたエルピスも、実は人間にとって

災いの一つだったのではないかという説もあり、パンドラの箱については

色々な人が解釈をしており、どれが正しいかははっきりしていません。

 

ただし一般的には「様々な悪がパンドラが箱を開けたことで解き放たれてしまったが、

希望が残っていたおかげで、人々は生き延びることができた」という解釈がされています。

 

エルピスを希望と解釈した際のとらえ方

エルピスを希望という言葉に訳した場合、パンドラの箱に残った希望を

前向き(楽観的)にとらえるか、また後ろ向き(悲観的)にとらえるかで

解釈は変わってきます。

 

・前向きな希望

この世の中が絶望や悪意に満ちても人間の生きる希望は残されている

 

・後ろ向きな希望

希望は他の悪と共に解き放たれてはいないので、取り残されている

 

エルピスを期待と解釈した際の考え方

こちらの場合も、前向きか後ろ向きか、そのとらえ方で解釈は変わるとされています。

 

・前向きな期待

生きることへの熱意や希望を捨てていない状態なので、明日に期待を持ちながら

生き続けることができる

 

・後ろ向きな期待

期待を持っていても叶えられない可能性もあり、

叶わないことを知らないまま期待を抱いてしまう不幸を背負わされたともいえる

 

また最後に残ったのは希望ではなく、「未来が分かってしまう災い」で、それが

解き放たれなかったことで、人間は希望を抱いて生き延びられたとの解釈も

あるのです。

 

どちらにしろ、このギリシャ神話からは「開けてはならないもの」として

パンドラの箱が指し示されていると考えられます。

 

これらの解釈を踏まえた上で、パンドラの箱は会話でどのように使われるのかを

詳しく見ていきましょう。



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パンドラの箱って会話でも使う?その正しい使い方とは?

パンドラの箱は、ギリシャ神話ですから欧米の人が会話に使うことが多いのですが、

ニュースなどでもよく使われるのを見かけます。

 

実際にパンドラの箱は、どういった会話で使われるのか、具体的な例をあげて

ご紹介します。

 

・問題を引き起こしてしまった、困難な問題を抱えてしまった時

「パンドラの箱を開けてしまったらしい」

 

・触れてはいけない、予想外のことに直面した時

「パンドラの箱に触れた」

 

・大きな問題を解決する役割を任された時

「パンドラの箱を渡されてしまった」

 

パンドラの箱は災いがその中に入っていることを前提とした使われ方を

するため、日本ではあまり良くない意味でとられることが多いようです。

 

ただしパンドラの箱を開けてしまっても、みんなあきらめずに頑張れば

明るい未来が待っている、といった前向きな言葉として使うこともできます。

 

ギリシャ神話はとにかく出てくる神様が多いので、話を読んでもその関係性が

よく分からないということが多いため、こちらの本で名前と関係性を

知ることをおすすめします。



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まとめ

ニュースや会話でよく使われる、パンドラの箱について、

その由来や言葉の意味、会話での使い方をご紹介しました。

いかがだったでしょうか?

 

パンドラの箱というと、悪いものに対して使われることが多い印象がありますが、

手元に希望や未来が残ったという意味では、

前向きな決意、また人生の転換としての使い方をされることもあります。

 

今回ご紹介した由来を踏まえて、ぜひ会話に生かしてみてください。

またこの伝説をきっかけに、ギリシャ神話についての本を読んでみてはいかがでしょうか。