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夏バテの時や、疲れている時などに、
「山芋を食べるといい」とよくいわれます。
すりおろしてご飯にかけたり、お好み焼きに混ぜたりといった食べ方はもちろん、
短冊に切って酢の物としてあえたり、サラダに乗せて食べたりと、
色々な食べ方ができるのが、山芋の大きな魅力です。
ただ山芋をすりおろすと手がかゆくなったり、
食べた後にお腹がゆるくなって下痢をしてしまったという人も少なくありません。
誰もがそうなるわけではありませんが、
もし体に悪影響があるとしたら心配ですよね。
そこで今回は、山芋を食べ過ぎるとなぜ下痢になるのか、
また山芋に含まれる栄養との関係性について、詳しくご紹介します。
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Contents
山芋は種類がいっぱい!どんな栄養が含まれる?
![](https://zatsugaku-note.com/wp-content/uploads/2018/08/d39b7edc76e66599a969af1ea6128870-e1534640571660-250x166.jpg)
一般的に山芋と呼んでいますが、実は「山芋」という品種はありません。
山芋とは、ヤマノイモ科に属する芋類を総称した呼び方です。
山芋という芋はない?山芋とはどんな芋?
細かく分類すると、ヤマノイモ、ジネンジョ(自然薯)、ダイジョ(大薯)があります。
ヤマノイモは中国が原産、ジネンジョが日本原産、ダイジョは東南アジアが原産です。
ただしどれも日本で栽培されています。
ヤマノイモには、一般的に山芋や長芋とされて販売されている長いも、
イチョウのような形をしている大和芋(イチョウ芋)、
関西では大和芋と呼ばれることもある、丸くゴツゴツした形のつくね芋があります。
他に丹波芋や伊勢芋なども大和芋の一種です。
ジネンジョは日本原産の長芋で、成長すると1mぐらいの大きさになります。
細長く粘りやうま味のある芋ですが、
収穫まで時間がかかるため天然のものはかなり高価です。
また栽培もされています。
ダイショは東南アジアで食べられているヤムイモに近い品種で、
日本では沖縄や九州の熱帯の気候である一部で栽培されています。
白いものの他、紫のものもあり、こちらは紫山芋と呼ばれます。
すりおろすとピンク色に近い紫のとろろができます。
大きくなるのが特徴で、何十キロにも成長するものもあります。
この他、ヤマノイモやジネンジョのつるの付け根にできる、
2、3cmほどの小さな芋であるムカゴも山芋の一種です。
地面に植えると種芋になりますが、そのまま茹でたり炊き込みご飯にも使われます。
山芋の栄養にはどんなものがある?
いくつもの種類がある山芋ですが、
実は栄養価にそれほど大きな差があるわけではありません。
大きな差があるのは、含まれる水分量とカリウムの量です。
長芋は水分が多く、大和芋がカリウムが多く含まれますが、
ビタミンやミネラル、食物繊維などがバランスよく含まれている山芋は、
栄養食品といっても過言ではありません。
中でも注目したいのが、
ビタミン様物質のコリン、そして胃腸薬にも多く使われているアミラーゼです。
コリン
ビタミンB群の1つであるコリンは、血管を拡張させて血液をスムーズに流し、
血圧を下げてくれる働きがあります。
さらに肝機能を助ける働きや、
神経伝達物質であるアセチルコリンの働きを助ける物質であることから、
認知機能にも関わっていると考えられています。
アルツハイマー病の対策としても注目されている栄養素で、
アメリカでは必須栄養素として認定されています。
コリンは体内でも生成できる物質であるため、
ビタミン様物質とされていますが、生成される量はそう多くはないため、
食品から摂る必要があります。
アミラーゼ
山芋は芋類ですが、芋類は加熱する必要のある毒性があるものが多い中で、
唯一生で食べることができる芋です。
その理由は、アミラーゼやジアスターゼという消化酵素を含んでいて、
芋に含まれるデンプンが分解されるためです。
アミラーゼは胃腸薬や健康ドリンクにも含まれており、
消化不良や胃もたれを改善してくれます。
豊富な栄養素と、胃や腸に優しい成分の多く含む、
山芋はまさに疲労回復にぴったりな食べ物なのです。
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山芋を食べ過ぎは下痢になるって本当?
![](https://zatsugaku-note.com/wp-content/uploads/2018/08/haraita_woman-e1534640617916-217x250.png)
山芋は消化吸収を助けてくれる食品ですが、
まれに食べ過ぎるとお腹の調子が悪くなり、お腹がゆるくなるという人もいます。
これは山芋自体に問題があるということではなく、アレルギーが原因とされています。
山芋をすりおろした時に、手がかゆくなるのもアレルギーが原因であることもあります。
山芋に含まれるタンパク質がアレルゲンとなり、
そのアレルゲンを排除しようと体が過敏に反応することで、
アレルギー症状が出てしまうのです。
アレルギー反応は、体のあちこちに以下のような反応が出ます。
皮膚の症状
かゆみや腫れ、じんましん、赤みやほてりなどが出ます。
通常は食べた時に触れた唇や口の中に出ますが、
触れていないところに出たり、口内炎やしびれが出ることもあります。
通常は安静にしていれば治まりますが、長引く場合には病院での診察が必要です。
粘膜の症状
口の中がかゆくなり、かゆみが出るといった症状の他、、
のどがイガイガしてかゆみや腫れが出ることもあります。
のどの腫れは、悪化すると気道が狭まり、声が嗄れたりするだけでなく
呼吸困難に陥ることもあり大変危険です。
呼吸器の症状
くしゃみや咳が止まらなくなる、喘息のようにゼイゼイとした音が出る、
呼吸が困難になるといった症状が出ます。
消化器の症状
胃もたれや吐き気、嘔吐や下痢、腹痛などが起こります。
アナフィラキシーショック
上記に挙げたようなアレルギー反応が、短時間の内に全身に現れる症状です。
合わせて血圧が一気に低下し、意識を失うこともあり、命に関わります。
アレルギーは今まで症状が出たことがないという人であっても、
突然症状が現れることもあります。
山芋を食べて体に異常が出た場合は、軽症でも病院で一度検査を受けるようにしましょう。
また山芋をすりおろした時に、手に感じる痛みは、
山芋のシュウ酸カルシウムの結晶が刺さることで起きます。
アレルギーと判別がつきにくいのですが、
山芋を酢水につけてからすりおろすことで、かゆみを抑えられますので試してみましょう。
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山芋はとろろにした方が栄養がある?
![](https://zatsugaku-note.com/wp-content/uploads/2018/08/0bf111e98b5251c189a119c151c4145c-e1534640637609-250x163.jpg)
山芋はとろろにして食べるという人が多いかと思いますが、
山芋の中でも長芋は水分が多いため、かなりあっさりした味わいになります。
ジネンジョや大和芋は水分が少なく粘りも強いため、
栄養の効果をしっかり取り込みたいなら、
比較的手に入れやすい大和芋がおすすめです。
ただし山芋に含まれる消化酵素のアミラーゼは、
熱に弱いため加熱調理をすると栄養分がなくなってしまいます。
お好み焼きのつなぎなどにも使われますが、
熱で固まる性質があり、口当たりもふわふわになるのですが、
栄養面ではおすすめできません。
ただしとろろにすると口当たりが良くなり、
よく噛まずにご飯を食べてしまいがちです。
そうすると満腹中枢が正常に働かず、食べ過ぎにつながってしまいます。
とろろにしてもいいのですが、できればとろろだけでなく、
スライスしてサラダに入れたり、短冊切りにして酢の物にあえたりすると、
食感が変わってしっかり噛むことになりますので、
ぜひ色々な食べ方で山芋の栄養をしっかり取り込みましょう。
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山芋は疲労回復や胃もたれに効果があるだけじゃない!注目される効果とは
![](https://zatsugaku-note.com/wp-content/uploads/2018/08/taisou_man-e1534640677943-139x250.png)
山芋には消化を助けてくれるアミラーゼや、血圧を抑えてくれるコリン、
便秘の解消に働く食物繊維や、利尿作用で体の塩分濃度を調整してくれるカリウムなど、
健康を促進してくれる栄養素が多くありますが、
近年の研究で新たな山芋の効能が発見されています。
ジオスゲニンが大腸ガンの抑制やアルツハイマーの予防に?
ジオスゲニンは山芋に含まれる野菜ステロールの1つで、
ホルモン量の回復やメラニンの抑制などの働きがあります。
そのため健康食品などに多く使われていますが、
沖縄で作られているトゲドコロと中国の懐山芋に多く含まれています。
近年の研究で、このジオスゲニンに大腸ガンを抑制する働きや
アルツハイマー型認知症の改善や予防、糖尿病や高コレステロール血症の予防、
更年期症状の改善などにも大きな効果があることが分かってきました。
山芋が免疫細胞を増やす?
山芋に含まれるディオスコリンというタンパク質成分には、
インフルエンザを予防できる効果があります。
さらに山芋に含まれるタンパク質成分には、
免疫細胞を増やす働きもあるという実験結果もあり、
さらに研究が進めば、色々な病気に対抗できる可能性があるのです。
このようにまだまだ可能性を多く秘めている山芋。
毎日の食事に取り入れて、病気予防に役立てましょう。
皮をむいて切ったりすりおろしたり、と以外に手間がかかるので
つい食べるのがおっくうになりがちな山芋だけでなく、
色々な食材をカットしたり混ぜたりできるフードプロセッサーです。
粘り気のあるものも大丈夫なので、山芋を使って色々な料理を作る時に役立ちます。
まとめ
山芋の種類や栄養と共に、山芋を食べ過ぎた時に出る症状についてご紹介しました。
いかがだったでしょうか?
山芋には滋養強壮の効果があり、古来から漢方でも使われてきました。
また現代でもインフルエンザ予防など、色々な新しい効果も発見されています。
食欲がない時にもおすすめですが、できれば毎日の食卓に取り入れて、
美容や健康、将来の更年期対策やアルツハイマー予防にも役立てましょう。